50年もの歳月をかけて開発されたリニアの技術。走る仕組みや安全対策はどうなっているのか。
時速500キロメートルで浮上して走行する“夢の乗り物”超電導リニア。JR東海と鉄道総合技術研究所への取材を基に、リニアの技術に関する疑問にすべて答える。
Q1. なぜリニア方式を採用したのか
リニアは「超電導磁石」を搭載した車両が磁石の力で浮き上がり、直線状に運動するモーターで駆動(リニアモーター駆動)しながら走る。
リニアの特徴は、新幹線の約2倍の時速約500キロメートルで走行し、急勾配にも対応できるところだ。
新幹線は車輪とレールの間に生じる摩擦を使った粘着駆動によって走る。このため速度が上がり勾配が急になると、空気抵抗や重力によって車両の前進が妨げられる。この「妨げる力」が増大して「前に進む力」と釣り合うと、車輪が空転してそれ以上の速度で走行できなくなる。粘着駆動の代わりにリニアモーター駆動を採用すれば、推進が車輪の空転に左右されることはなく、より速いスピードを実現できる。
車両を浮上させることで、騒音などの環境問題を解決し、さらに乗り心地を快適にすることもできる。
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