有料会員限定

ゼネコンの皮算用 五輪の次はリニア

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 最新
拡大
縮小

山岳部のトンネル工事は実際に掘ってみなければわからない。工期とコストは計画を大幅に上回る可能性も。

東海北陸自動車道の飛騨トンネルは工期が計画よりも3年以上かかった(提供:NEXCO中日本)

特集「リニア革命」の他の記事を読む

「最難関工事は南アルプスの山岳トンネル」(大手ゼネコンの土木担当幹部)。今年度着工、2027年に開業するリニアは、今世紀で最も難しいとされた飛騨トンネル(岐阜県)をも超える、難工事になる可能性がある。

リニアは東京─名古屋間の86%、約246キロメートルがトンネルという、未曾有のプロジェクトだ。大きく分けると、都市部の大深度地下では「シールド工法」、山岳地帯では「山岳工法」で掘られることになる。

一般的にシールド工法では、土砂や粘土など軟らかい地盤を円筒状のシールドマシンに付いたカッターヘッドで、切り崩しながら掘り進む。発進坑と到達坑の2カ所に、縦に掘った作業用の立坑(完成後は非常口や換気口に利用)が確保できれば、工事可能。シールドマシンは年々性能を向上させ、月平均200~300メートル、最近の外環トンネルの例では500メートル進むくらい速い。品川駅など、都市部にあるリニアの大深度トンネルは、シールド工法で行うことがほぼ決まっている。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
リニア革命
川重や日立が海外を向く中
▶▶Part4 整備新幹線とJR
リニア計画は国家百年の愚行
[政治]安倍─葛西のタッグは健在
[環境]JR東海からの反論
[環境]山梨の実験線ではすでに実害も
[収益]営業係数で採算を判定
▶▶Part3 リニアの死角 [財務]人件費や金利高の懸念も
期待と不安が相半ば
自民から急浮上した財政支援
五輪の次はリニア
独占[INTERVIEW]JR東海名誉会長 葛西敬之
愛知万博以来のビル建設ラッシュ
有楽町火災で露呈
▶▶Part2 蠢く都市、群がる企業
リニアvs.新幹線vs.エアライン
リニア関連の特許と出願人
走る仕組みと安全対策
2027年X月X日
大阪開業で17兆円近い経済効果
▶▶Part1 これがリニアだ!
時代遅れの全幹法
[地震]いくつもの活断層を貫くリニア
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内