リニアは、東海道新幹線が東海地震で被災した際の代替として必要だといわれている。しかしリニア自体が地震で甚大な被害を受けるリスクが高い(詳細は拙著『南海トラフ巨大地震』〈岩波書店〉を参照)。
東海地震を含む「南海トラフ巨大地震」は、今世紀中に発生する公算が大きい。これによって、リニア計画路線のうちの甲府盆地南部や名古屋周辺は、震度6強から震度7の激しい揺れに長時間襲われる。上下動も激烈であり、走行中の事故や施設の損壊が懸念される。南アルプスでは、トンネル部分で揺れが多少弱かったとしても、急峻なV字谷で大規模な斜面崩壊が生じ、そこに露出する路線や列車が埋没する危険性がある。
さらに、地下の断層運動が内陸に延びて糸静線断層帯がずれ動き、ルートを切断する可能性も無視できない。
南アルプス一帯では最近約100年間に40cmもの隆起が進行している。地震が起こらなくても、この地殻変動自体がリニアに悪影響を与えかねないが、巨大地震が発生すれば急激な沈降が生じて、大きな被害が懸念される。
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