俗にいう「シングルマザー」とはどんな存在なのか。厚生労働省の2011年度全国母子世帯等調査によると、母子世帯数は約123万8000世帯で、離婚による母子家庭が8割以上を占める。平均所得額は全世帯で約538万円、子どものいる世帯で約658万円なのに対し、母子世帯では約252万円と低い。手当などを除いた平均稼働所得は、181万円とさらに低くなっている。
こうした現状を知らない向きからは、シングルマザーは「国の手当で暮らしている」「生活保護世帯が多い」という偏見を受けやすいが、間違った認識である。実際に国から支給される「児童扶養手当」は、満額受給者でも子ども1人につき月額約4万円。第2子以降は5000円が加算される程度で、ひとり親で子を育てるには不十分な金額だ。
また、別れた元夫から養育費を受けている人も、実は19%と低い。生活保護に関しては、東日本大震災後に増えたものの、全体に占める割合は14%にすぎない。多くのシングルマザーは家計を懸命にやり繰りしているのが現状なのだ。
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