1990年代初頭に少子化対策が開始されて以来、保育所の「待機児童」問題は、中心的な課題であり続けてきた。が、今なお待機児童数は、約2万4800人もいる(2012年4月1日時点)。全国の保育所の定員数は約224万人、利用児童数は約218万人。保育所は増えているが、保育所の利用希望も膨らんでおり、待機児童数は依然高止まりしている状態だ。
待機児童の実態を見ると、8割は低年齢児(0~2歳児)が占めている(図表2)。多くが首都圏や愛知県、大阪府など、大都市に集中しており(図表1)、都内では待機児童数の多い市区が毎年話題に上るほど(図表3)。大型マンションなどで再開発された大都市に、幼い子ども連れの家族が移り住み、待機児童数が急増する。そうした地域は子どもの成長につれ、保育需要は減るが、局所的で瞬間的なニーズが発生しやすい。“潜在的”待機児童数は、80万人以上に及ぶともいわれる。
一方で、出産する人が多い25~39歳の女性人口は、13年の約1130万人から、23年には約920万人へと、210万人も減少する。つれて産まれる子どもの数も急減。待機児童対策をする際には、将来の子ども数減少に応じ、保育所の統廃合も考えなければならない。
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