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クオータ制導入で女性役員を義務化せよ もはや高度成長期の成功体験は通用しない

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3年前に筆者はノルウェーで、役員の一定比率を女性にする「クオータ(割り当て)制」について、産業界に与えた影響をヒアリング調査した。2003年にノルウェーは世界で初めて大手民間企業に対し、役員の“40%以上”をどちらかの性が占めることを法律で義務づけ、08年から施行したのだ。

仮に女性役員が40%に満たなければ上場廃止となる。日本の経団連に当たるノルウェー経営者連盟(NHO)の加盟企業はすべて40%以上になった。現在ノルウェーの女性役員比率は世界トップだ。ちなみに日本は調査国42カ国中38位で、すべての欧米やアジアを下回り、日本より低いのは湾岸諸国のみというありさまである。

実はノルウェーでも法律が検討されていた頃、NHOは「数値目標の強制は企業の裁量を奪い国際競争力を損なう」と反発した。だが政府は「企業の自主性に任せたら100年かかっても無理」(当時の産業貿易相)と押し切った。導入3年を経て、筆者がヒアリングした経営者はおおむね、「企業業績に好影響を与えた」と回答する。女性役員が増えたことで、「リスク管理力が高まった」(金融業)、「人事労務管理がきめ細かくなり、人材育成で成果が出た」(メーカー)との声も聞かれる。

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