崖っぷちOL、MBAのトイレでシバかれる?!

エリートの巣窟で輝いた「非エリート」ならではの強みとは

非エリートが輝くとき

私はとにかく、同年代のビジネスパーソンより知らないことが多かった。上座・下座の概念もわからなければ、正しい名刺の渡し方なんていまだに人に説明できない。私が日本を離れている間に宇宙人がやってきて、何か重要な知識をビームか何かで日本人全員に共有させて、私だけのけ者にされているのではなかろうか……なんて妄想をしてしまうくらい、ビジネスの一般常識について自信がなかった。

ビジネススクールでも、カネ系科目はいつもお手上げだったし、授業で扱っている業界が株の取引や半導体の部品など、「何だかよくわからないもの」「日常生活で目にしないもの」になった途端、いくら予習しても空中をふわふわ漂っているようで、揚げ句の果てには涙目である。

しかし、そんな落ちこぼれの私が活躍できる授業もあった。ファストファッション業界についてケーススタディをしたときである。

私は昔、アメリカ系ファスト・ファッション・チェーンで店員をしており、そのブランドだけで3店舗を経験していたのだ。えっへん! やっとケースの登場人物になりきれるときがきた。自分が自信を持って発表できる数少ない機会なので、そのブランドの服で身を包み、張り切って授業に向かう。1900円のシャツが、今日は誇らしい。えっへん。堂々と先生の真ん前に座り、とにかく挙手、挙手、挙手!

「このブランドの特徴は何ですか?」「現場のオペレーションはどんな感じかな?」「実際の店舗運営は?」

女性向けファスト・ファッション・ブランドの現状なんて、おじさま受講生たちは知る由もない。ケースから読み取れないいろんな業界事情をとにかく発表しまくった。普段の私を、荒れ狂う馬から落ちぬよう必死にしがみつくロデオに例えるならば、このときばかりはサラブレッドを乗りこなす武豊である。先生には「あの日は本当に輝いてたね! その後の××証券のケースでは死にそうだったけど」と何度も言われた。

また、化粧品業界についてのケースもあり、そういうときは女性が1カ所に固まらないような席の配置にされ、男性に化粧品について教えながら授業が進行していく。男性たちがなかなか関心を持ちにくい業界なので、がぜん女子が輝く。化粧ポーチの中身を取り出しながら説明をする。結局、どんな下っ端の経験でも、経営という観点から考えると貴重な意見になるし、卑下するものでもないと知った。

恥を捨てて「わかりませ~~~ん」と言う

エリートが集まるビジネススクールで、すぐに周りになじめるようになるなんて、ハナから思ってなかった。付け焼き刃の知識すら身につけられぬ。そもそもその刃の焼き方もわからない。賢そうなフリすらもできなかった。ただ、「授業料の元を取る」というマイ・パーソナル・ミッションにだけは忠実に従った。

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