中国のバブル崩壊はあるのか? 世界最大の投信・バンガードのレムコ氏に聞く

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――米国にも近い中南米の経済についてはどう見ていますか?

有望な国、問題のある国が明確に分かれており、特に問題のある国については、政治リスクの問題が、過去にないほど高まっています。

ブラジルは財政厳しく問題が山積

中南米で有望な国はチリですね。格付けも高く、生活水準も安定していて、中南米では最も発展しています。また、メキシコも輸出のうち70~80%が米国向けで、今後もNAFTAのもと、米国経済と密接な関係を維持しながら発展していくと思います。その他、パナマ、ペルー、コロンビア、ウルグアイなども注目されます。

一方、見通しの厳しい国としては、「かつてBRICsの一角を占めて注目されたブラジルは、悲惨とは言わないまでも、決して良好な経済とは言えません。財政的にも厳しく、政治問題が山積しています。

10月26日の大統領選挙で再選したルセフ大統領は、マーケットに対してアンフレンドリーな政策を打ち出しており、この点も気がかりです。さらに、事態が極めて深刻な国としては、7月にテクニカル・デフォルトを引き起こしたアルゼンチンがあげられます。

適切な政治のリーダーシップのなさが、投資リスクを高めています。さらに、政治問題が山積しているベネズエラ、ボリビア、エクアドルなども、実際に投資する場合には、政治リスクに配慮する必要があります。

――最後に日本経済の今後についてはどう見ますか?

安倍首相の頑張りは評価できますね。しかしIMFの最新データによると、GDP比で274%という財政赤字は決してサステナブルではありません。債券の投資家は皆、日本の財政問題に強い関心を示しています。

鈴木 雅光 JOYnt 代表、金融ジャーナリスト

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すずき・まさみつ / Masamitsu Suzuki

1989年岡三証券入社後、公社債新聞社に転じ、投信業界を中心に取材。2004年独立。出版プロデュースやコンテンツ制作に関わる。著書に『投資信託の不都合な真実』、『「金利」がわかると経済の動きが読めてくる!』等。

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