食品が値上げラッシュ、なぜPBは据え置き? 売り場でメーカー品とPBの価格差が拡大

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しかし、小売り側は「どちらかに負担がかかるようなやり方はしていない」(イオン広報)と話す。また、メーカー側も「PB商品の製造を受託することで、メーカー品の納入権を得ているケースもある。PB商品とメーカー品を合わせた商売でバランスを取っている」(食品メーカー大手)という。今回はコスト増を両者で”痛み分け”するようだ。

ただ、今後はメーカー品のみ値上げされることで、これまでも安価だったPB商品との価格差がより鮮明になってくる。となれば、メーカー品の販売数量が減りかねない。

カップヌードル価格はPBの1.5倍に

例を挙げると、現在、セブン-イレブンにおいて日清食品の「カップヌードル(77グラム)」は173円(税込)であるのに対し、セブン&アイのPB商品「しょうゆヌードル(81グラム)」は121円(同)。「カップヌードル」は15年1月1日出荷分から6%の値上げを予定しており、店頭価格は10円程度値上げされる見込み。そうなればPB商品の1.5倍程度の価格となる。

値上げを発表する食品メーカーのリリースには、「自助努力の限界を超えた」「企業努力では現行の価格維持が大変厳しい」など窮状を訴える文言が目立つ。やっとの思いでメーカー品の値上げにこぎ着けられても、消費者の価格に対する目はシビアだ。PB品との価格差が広がるほど、厳しい戦いを強いられることとなる。

アベノミクスがもたらした円安は、食品業界全体に大きな苦悩をもたらしているといえそうだ。

田嶌 ななみ 東洋経済 記者

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たじま ななみ / Nanami Tajima

2013年、東洋経済入社。食品業界・電機業界の担当記者を経て、2017年10月より東洋経済オンライン編集部所属。

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