アラサーのための戦略的「人生相談」--人生の目的が見えず、うつ病になりました

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僕が最初の会社に入ったときも、「あ、この人すごくかっこいいな」と思う人がいた。その人は、頭は切れるし、柔軟だし、スレンダーだし、物腰も柔らかかった。でも、毛が薄かったので、誰の恨みも買わなかった(笑)。

武田:ただ、そういう憧れのモデルを探すことが難しくなっている気がします。40代ぐらいの人でかっこいいなっていう人はあんまりいないような。

広瀬:確かにそうかもしれない。今年、ある商業高校でスポーツマンシップについて講演したとき、校長先生がショックを受けていた。「普段は10分間も黙ってられない生徒たちが、1時間もシーンとして講演を聞いていた。私の話はそんなにつまらないのか」と。

講演で生徒には、「スポーツマンというのは、グッドフェローだよ」ということを伝えた。金持ちになるより重要なのは、グッドフェローを得ることです。僕の歳になってみると、いい友達を得るってことがどれだけ幸せにつながるかよくわかる。

では、グッドフェローを得るための唯一の方法は何かわかりますか?

それは、自分自身がグッドフェローになることです。

もちろん、格好よく生きるためには、グッドフェロー以外にも必要なものはあります

たとえば、イギリス人は、ジェントルマンの条件として、「着こなし」を挙げている。かっこよく生きるために、うまいものを食うとか、着こなしだとか、身のこなしっていうのは必要なんです。だけど、そのためには、ある程度の財力がないといけない。

「武士は食わねど高楊枝」とうそぶいても、かっこ悪いでしょう。一方で、強欲になりすぎて、金儲けばかりに走るのもかっこ悪い。だから、ある程度の所得を得たうえで、かっこよさを追求する。それがかっこよい生き方だと思いますよ。

ひろせ・いちろう
 1955年生まれ。東京大学法学部卒業。1980年、株式会社電通入社。トヨタカップを含め、サッカーを中心としたスポーツ・イベントのプロデュースを多数手がける。2000年に株式会社電通を退社し、(株)スポーツ・ナビゲーションを設立。その後、独立行政法人経済産業研究所の上席研究員を経て、2004年にスポーツ総合研究所を設立し、所長就任。江戸川大学社会学部教授を経て、多摩大学の教授として「スポーツビジネス」「スポーツマンシップ」を担当。著書に『Jリーグのマネジメント』『スポーツマンシップ立国論』など。現在東京と大坂でスポーツマネジメントスクールを主宰し、若手スポーツビジネスマンを育成している。

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