「野党の選挙協力=勝利」という幻想 「野党一本化」は、プラス面ばかりではない
さらに、民主党は選挙区での立候補者が前回から86人減、維新の党も前回の151人から74人減で77選挙区しか候補が立たないとなると、候補者のいない選挙区では比例票においても多くの得票が望めない。結局、自民党を利することになるのではないか。
有権者が「政党」という保険を失い、戸惑う恐れ
そもそも、12日間で「私を信用してください」と言われても、有権者も困るだろう。だから、信じてもらうために、日ごろから後援会活動を繰り返す。候補者の人となりまでわからなくても、支持政党の所属候補ということが保険となり、その人を支持することになる。
それが突然、他の政党の人を支援してくださいと選挙区を移ったり、立候補を取りやめられたのでは、有権者は戸惑うばかりではないか。これが棄権につながり、見えない死票になってしまう。これでは、せっかくの国民の権利を、政治家側が奪ってしまうことになりはしまいか。
さらに、野党の選挙協力という安易な戦術は、政党の意味を自ら否定する結果になるのではないか。信頼を失った野党は、長期的には消滅の道を辿る危険性もある。
今回は、大義なき選挙ともいわれているが、有権者一人一人が候補者や政党、そして政策に興味を持ち、有権者それぞれにとっての大義を見つけ、それを基準に投票行動に移してもらいたい。
この先には、集団的自衛権の行使、原発再稼働、沖縄基地移転問題、TPPの交渉、外交問題など、国論を二分する問題が山積している。身近には、景気対策、税と社会保障といった生活に関わる問題も立ちはだかる。
自民党一強体制がいいのか、バランスの取れた政治を求めるのか。選挙は、国民が政治に関われる唯一の機会である。将来に対する、われわれの意思表示をする絶好のチャンスなのだから。
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