弥生、オリックスと組み「金融サービス」へ 岡本社長に中長期的な戦略を聞く
――オリックスはファンドではなく事業会社です。弥生の経営にも関与するのでは?
これまでMKBパートナーズが、実質的には経営にほとんど関与してこなかったように、オリックスの立場も変わらないと考えています。オリックスの井上亮取締役兼代表執行役社長・グループCEOからは、「弥生はいい会社だと思って買収した。それを壊すようなことは、いっさいしたくない。基本的には手を出さないので、弥生としてやりやすいようにやってくれと」と明確に言われました。
リリースを配布した13日午後3時と、翌14日午前に、社員からの質問を受けたのですが、そのときに出た質問のひとつが「なにが変わりますか」というものでした。私の回答は、ひとこと。「なにも変わりません」です。今の時点で変わるのは、社外取締役と社外監査役が、MBKパートナーズから選出されていたものが、オリックスからの就任に変更することだけ。社内取締役は私一人であるという体制も変わりません。
独立した経営を継続
――オリックスグループという色はどこまで出すつもりですか。
その点では、特にオリックス側から言われていることはありません。われわれがそのカラーを出したければ出るし、出したくなければ出さなくてもいいということになっています。たとえば、名刺にオリックスグループと刷り込むのかどうかについても、こちらで決めることができますし、健康保険組合も、現在の関東ITソフトウエア健康保険組合を継続するのか、オリックスグループの健康保険組合に変わるのかといったことも選択が可能です。
――岡本社長がひいきにしているプロ野球チームはありますか?(笑)
実は私はまったく野球には関心がなくて。先日も、仙台で開催した会計事務所向けのカンファレンスでは、現場を担当している楽天イーグルスファンの社員に、「オリックスバファローズと交流戦でぶつかるねぇ」と言ったら、「なにを言っているんですか、同じパ・リーグですよ」と怒られたぐらいです(笑)。プロ野球の知識は、そのレベルなんですよ。
これは話半分で聞いていただきたいのですが(笑)、オリックスグループの一員としては、当然、オリックスバファローズを応援します。しかし、弥生のユーザーは全国津々浦々にいますし、それぞれの地元チームを熱心に応援している経営者の方々も少なくない。弥生の公式コメントは、「これからも全12球団を応援していきます」ということになります(笑)。オリックス側も、弥生をバファローズ一色にするなんてことは考えていませんし、われわれもそんなつもりはありません。
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