40歳を前に「卵子凍結」した女性の偽らざる本音 費用やリスクを理解し納得することが大切だ

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
拡大
縮小
排卵誘発剤を自己注射する女性(写真はイメージです、geargodz / PIXTA)  
医学的に、女性が最もリスクの少ない状態で出産できるのは、20代半ばから30代半ばだと言われている。だが、キャリアやプライベートが充実する時期とも重なるため、「今は出産のタイミングではない」と考えることもあるだろう。
女性が将来の妊娠に備え、若いときの卵子を保存しておくのが「卵子凍結」だ。出産を希望する時期がきたら、保存していた卵子を用いて妊娠につなげる。妊娠の可能性を将来に残しておく魔法の技術のようだが、もちろんリスクやデメリットもある。
4日連続特集「不妊治療は“ひとごと”ですか?」2日目第2回は、卵子凍結を考える人が「知っておくべき大切なこと」を日本での卵子凍結の現状とともに、お伝えする。
【2日目のそのほかの記事】(1日目の記事はこちらからご覧ください)
第1回:後悔しない「不妊治療の病院選び」ポイント5つ
第3回:不妊治療の人を襲う「よかれと思って暴言」の苦痛
第4回:「1年以内に閉経も」32歳女性が選んだ妊娠への道

39歳で卵子凍結をしたAさんの例

現在42歳のAさんは、40歳の誕生日を目前に卵子凍結を決意した。20代のころは朝から晩まで働き、夜は会食の生活。30代でも仕事を大切にしてキャリアを築き上げてきた。結婚も経験したが、子どもは強く望むというより、成り行きにまかせていたという。

卵子凍結という選択があることは、30代のころに職場の先輩から聞いて知った。先輩は40代半ばでの不妊治療に苦労しており、「もし時間をさかのぼれるなら、絶対に卵子凍結をしていた」と言われたこともある。しかし当時は、あまり自分ごととは思えなかった。「なんとなく自然の摂理に反するような気もしていた」とAさんは話す。

だが40歳を前にした時、頭の片隅にあった卵子凍結が現実味を帯びてきた。年齢的なリミットを考えると、先延ばしにはできない。インターネットなどで情報を集め、卵子凍結を行うクリニックに連絡した。

次ページ「卵子凍結」Aさんの感想
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT