「おっぱいトラック」は日本で認められるか 事故を起こしかねない車両広告、規制される?

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「形式的には、モノを運ぶ貨物自動車の場合、その事業や営業の内容を表示するものであれば、許可を受けて走行することが可能です。

路線バスや電車、ハイヤーなどに限っては、許可を受けて第三者の広告を表示できますが、今回のトラックはいずれにも該当しないので、貨物自動車でない場合は、広告宣伝車の扱いとなります。広告宣伝用自動車としての登録が必要になるでしょう。

また、内容については、『運転手の注意力を著しく低下させる』あるいは『景観や風致を害する』と判断されれば、規制にかかるでしょう」

「トラック」と「事故」の間に因果関係が認められるか

今回モスクワで起きた事故では、発生した損害について、広告代理店が一部を補償すると発表したという。もし日本で同じような事故が起きたら、その責任はどうなるのだろうか。

「その広告によって、運転手の脇見運転が誘発され事故が起きたという因果関係が認められれば、広告会社が賠償責任を負う可能性があります。

一方で、自動車の運転手には基本的に、高度な安全注意義務が課されています。誰もが見てしまうような広告物でない限り、因果関係が否定されて、広告会社が事故の賠償責任を負うことはないでしょう」

ただ、ロシアで500件もの事故を誘発したのだから、「おっぱいトラック」の場合は因果関係があるのではないか。

「誰もが見てしまうものかと言われると判断の分かれるところでしょうが、ロシアと同様に事故が本当に多発するのであれば、事故との因果関係があると認められる可能性もあるでしょうね」

もし「おっぱいトラック」が走っていたら、脇見せずに運転する自信はあるだろうか。さすがに、この広告のせいで事故を起こすのは勘弁してほしいところだ。

平岡 将人(ひらおか・まさと)弁護士
中央大学法学部卒。平成26年8月より全国で7事務所を展開する弁護士法人サリュの代表弁護士に就任。主な取り扱い分野は交通事故損害賠償請求事件、保険金請求事件であり、屋外広告看板業者の顧問なども手がける。
事務所名:弁護士法人サリュ大宮事務所

 

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