突然キャリアを絶たれる人が陥いる「6つのワナ」 「ライフシフト2」に学ぶ選択肢を広げる思考法

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*問い3 私は年齢に関して誤った思い込みをいだいていないか?

あなたが検討している人生の道筋と人生のステージについて、改めて考えてみてほしい。あなたは、自分の将来を考えるうえで、年齢と老化のプロセスに関して誤った思い込みをいだいていないか。暦年齢に基づく年齢観にとらわれすぎてはいないか。早い段階で選択肢を限定しすぎて、言ってみれば「早く老いすぎて」しまうリスクを冒していないか。

*問い4 私は制度の変化を考慮に入れているか?

あなたが紡ぐ未来のストーリーは、どうしても過去と現在の経験に基づいたものになる。しかし、さまざまな制度が大きく変わり、あなたの未来のストーリーの骨組みもその影響を受ける可能性がある。企業の慣行や教育のあり方、政府の政策などは、今後変わるだろう。

あなたが思い描いている未来の選択肢は、第3部で検討する制度の変化を考慮に入れているだろうか。

時間配分を検討するポイント

時間は、私たちにとってとりわけ重要な資源のひとつだ。この資源を賢く使うことは、きわめて重要な意味をもつ。

*問い5 私は時間を再配分できるか?

あなたが思い描く未来の道筋と人生のステージを考えたとき、それぞれのステージでおこなう活動をほかのステージに再配分して、時間的なゆとりを捻出できないか。

たとえば、ある活動をすべてひとつのステージに集中させるのではなく、活動を細分化して、人生全体に等しく配分し直してもいいだろう。

*問い6 私は何を重んじて時間配分を決めたいのか?

未来の選択肢を検討する際は、それぞれの選択肢で何が時間配分の最大の決定要因になっているかを基準に考えるといい。

あなたは、お金を稼ぐことを優先させて時間配分を決めたいのか。それとも、スキルの幅を広げることや、家族や友人と過ごす時間を増やすことを優先させたいのか。それぞれの選択肢を選んだ場合、未来の自分を危険に陥らせることがないかをよく考えよう。

最後に、人生のストーリーは「再帰的」な性格をもっていることを忘れてはならない。つまり、いまあなたがどのような行動を取るかによって、あなたが将来どのような足場の上に立ち、どのような選択肢を得られるかが決まるのだ。

このような考え方は、ものごとの帰結を変えることはできないという決定論的発想とは対極を成すものだ。人生のどの段階にある人でも、みずからの行動を通じて自分の未来に好ましい影響を及ぼすことはできる。

アンドリュー・スコット ロンドン・ビジネス・スクール経済学教授

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Andrew Scott

ロンドン・ビジネス・スクール経済学教授、スタンフォード大学ロンジェビティ(長寿)センター・コンサルティング・スカラー。ロンジェビティ・フォーラム共同設立者であり、英国予算責任局のアドバイザリーボードと英国内閣府の栄誉委員会メンバーも務める。邦訳された著書に『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』がある。

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リンダ・グラットン ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授

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Lynda Gratton

ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授。世界をリードする「働き方の未来」の専門家。全世界で最も権威ある経営思想家ランキングである「Thinkers50」では、トップ15にランクインしており、2018年には安倍晋三元首相から「人生100年時代構想会議」のメンバーに任命された。著作である『ワーク・シフト』『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』シリーズ(アンドリュー・スコットとの共著)は日本で大ベストセラーに。長寿社会におけるキャリア構築の考え方――「人生100年時代」というキーワードをつくり出した中心人物である。

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