トヨタ、「踊り場」のはずが最高益更新 さらなる拡大のアクセルを踏み込む日も近い?

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11月4日の中間決算会見で小平副社長は基礎体力の向上を強調した

もちろん、基礎体力は着実に向上している。「リーマンショック前の08年3月期は1ドル114円だった。今回は104円。為替によるマイナスは1兆円強あるが、営業面の努力や原価改善努力で(08年3月期の営業利益2.2兆円を)上回る」と小平信因副社長は胸を張る。

下期の計画は9月の平均レートである1ドル105円を前提としている。115円を伺う足元の円安傾向が続けば、2兆5000億円を見込む通期営業利益はさらに1000億円単位で再修正される可能性が高い。

既存工場をフル活用

今期を「意思ある踊り場」(豊田章男社長)と位置づけるトヨタは、空前の利益が見込める中でも、さらなる体質強化の手を緩めない。同社は現在、16年3月期までの新工場凍結方針を掲げている。「狙いはあくまで既存工場設備の稼働率を最大限上げること。今は9割くらい」(小平副社長)。高い稼働率を維持しながら、既存工場のライン増設や生産性の改善で生産能力を少しずつ積み上げている。

半年前、トヨタ幹部は「新工場は完全にノーではない。できることがあるのに安易な工場建設を戒めている」と、本当に必要になれば、新設も否定しない考えを示していた。が、数年後の供給不足も懸念される米国市場向けのメキシコ新工場計画にゴーサインは出なかった。

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