低所得の白人たちが反オバマになる理由--イアン・ブルマ 米バード大学教授/ジャーナリスト

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また、ペイリンはティーパーティ運動の参加者に対して、彼らこそが“真のアメリカ人”だと語りかけた。それは、彼女の意見に同意しない人は真のアメリカ人ではないことを意味していた。

こうした動きに対し民主党は反撃すべきだという声もある。それは不可能ではない。なぜなら民主党自体もポピュリストの伝統を持っているからだ。神や自由、国家について語ることは、極右や共和党の専売特許ではない。ルーズベルト大統領は労働者の愛国心を鼓舞する方法を知っていたし、ケネディ大統領はアメリカの夢を売るのに長けていた。

オバマ大統領も古いタイプの宣教師が持っていた雄弁な演説能力を有している。だが、いくつか不利な点がある。彼は二つのエリート大学を卒業し、フセインというミドルネームを持ち、父親が黒人である。これらのどれか一つでも弱点になるが、三つが組み合わさると致命的になる。ティーパーティ運動は、「神を恐れる白人アメリカ人を救済する」という仮面をかぶった、金持ちのための経済的な計略である。その主導者たちは、このオバマの弱点を知り尽くしているのである。

Ian Buruma
1951年オランダ生まれ。70~75年にライデン大学で中国文学を、75~77年に日本大学芸術学部で日本映画を学ぶ。2003年より米バード大学教授。著書は『反西洋思想』(新潮新書)、『近代日本の誕生』(クロノス選書)など多数。


(週刊東洋経済2010年10月23日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。



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