特に前述した商品たちはどれも嗜好品に近く、長い商品名がどーんと目立つパッケージ。ただ単純に「チーズ鱈」「生七味とうがらし」と書いてあるよりも、前置きの長い情緒的な商品名にすることで「『一度は食べていただきたい』っていわれると興味あるな」とか、「良く分からないけど、ご飯に合いそうで日持ちしそうな瓶詰めだし、買ってみるか」と、特に男性の購買意欲をそそるのでしょう。気に入ればリピート購入しますし、場合によってはその男性が家族に代わりに買っておいて欲しいと頼む、というような行動にも繋がっていきます。
プライベートブランドでも流行中?
食品の商品名に比べ洗剤やシャンプー、石鹸などの日用品は、「ビーズ」や「ジョイ」、「メリット」「ダヴ」など、覚え易いシンプルな名前が多い。このカテゴリーにはブランド化された商品が多く、また外資系メーカーの場合、世界共通のブランドを多く持っていることも理由に挙げられます。そのためブランド名の後に「消臭・抗菌プラス」や「○○フローラルの香り」といった商品の効果や香りなどが後に続きます。
効果や香りの文字量が多いため、実際の商品名も長いものはあるのですが、消費者はあくまでブランド名を見て、その後、お気に入りの効用のものを選択するので、前述の長い商品名の傾向とは少し違います。
最近では小売業各社のプライベート・ブランド(PB)にも、長いネーミングを採用する傾向が見られます。たとえばセブン&アイホールディングスの「セブンプレミアム」。たとえば「お米でできたやさしい食感のふんわり揚げ えび味」(22文字)「枝豆のおいしさが楽しめる枝豆チップス」(18文字)なども含めて、商品名の上に”ふっくら柔らかな食感”と前置きがついた「切れてる厚焼き玉子」のように、商品名を修飾する言葉の付いたアイテムが多数出ています。
登録された商品名は単なる「かぼちゃサラダ」でも、パッケージ上、商品名の上に「かぼちゃの風味を活かした」と書かれていれば、手に取る消費者は、パッケージに書かれた全ての文字をつなげて「かぼちゃの風味を活かしたかぼちゃサラダ」と読みます。
これが「何となく」手に取ってしまう、ひとつのきっかけになるのではないでしょうか。会社帰りに立ち寄ったスーパーやコンビニでふとカゴに入れた商品。知らず知らず、長いネーミングで感性に訴えかけられたからこそ購入しようと思ったのかもしれません。
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