その結果、完全雇用には届かない低経済成長が長期間にわたって続く。これに対し、中央銀行は大規模な金融緩和で対応しているが、現状では完全雇用に見合う投資支出を呼び起こせる金利水準は「マイナス2~3%」まで低下している。しかし、名目金利はゼロ以下に下げられないから、いつまで経っても完全雇用は達成できないのだ、と。
長期停滞が現実化するとしたら、どのような処方箋があるのだろうか。サマーズ氏は、現在のような大規模な金融緩和を「しないよりはマシ」程度に考え、あまり推奨しない。投資支出拡大の効果は限られる一方で、資産バブルや、持つ者と持たざる者の貧富の格差拡大、ゾンビ企業の延命といった重大な副作用があるからだ。
サマーズ氏が積極的に支持する処方箋は、直接需要(投資支出)を生み出し、完全雇用に見合う国内生産規模を目指す政策だ。具体的には、自由貿易協定などを通じた輸出促進、規制緩和や税制改革による民間投資の促進、そして政府によるインフラ投資などの財政政策である。
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