三菱重工MRJ、世界戦に待ち受ける「関門」 ついに長年の夢が実現したのだが・・・

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100席以下が目安のリージョナル機は、エンブラエル(ブラジル)とボンバルディア(カナダ)が2強で、ロシア、中国勢も新規に参入。MRJは今まで唯一実機がなく、ライバルからは「性能の高いペーパープレーン(図面上の飛行機)」と皮肉られてきた。「実機ができ、営業活動が格段にやりやすくなる」(三菱航空機の福原裕悟・営業グループリーダー)と販売現場でも士気が高まる。

次の焦点は飛行試験

ただし、事業を成功させるには、多くの課題を乗り越える必要がある。旅客機の開発において、今回の試験初号機完成はあくまで通過点。装備品の動作確認や機体強度検査など必要な準備を経て、まずは来年4~6月に予定する初飛行(飛行試験の開始)をスケジュールどおりに実現できるかが次の大きな焦点だ。

飛行試験で集めるデータは多岐にわたり、飛行時間は延べ2500時間に及ぶ。実際の飛行結果を踏まえてやるべきことは二つある。一つは、改善すべき点を設計にフィードバックして、最終設計に仕上げること。そして、もう一つの大きな仕事が、地上・飛行試験による膨大なデータを用いて安全性を客観的に証明し、国から機体の安全認証を得ることだ。

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