中国「首に鎖をつながれた8児の母」事件の大激震 人身売買の疑いで調査も、謎が謎を呼ぶ展開に

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だが、その後の調査で、「楊某侠の本当の身分は、雲南省怒江リス族自治州福貢県亜谷村の(少数民族である)リス族の女性、小花梅(シャオファーメイ)であり、彼女は1994年に雲南省保山市に嫁ぎ、1996年に離婚した後に亜谷村に戻った」との公式発表が立て続けに行われた。

2月10日の合同調査チームによる第4回通達によれば、省、市の公安機関が楊某侠と光某英(小花梅の異父姉妹)、普某瑪(すでに死去している小花梅の母親)の遺物に対してDNA検査を実施。その結果、楊某侠と光某英、普某瑪には親子関係があることが判明し、その他の調査結果も照らし合わせて、楊某侠は小花梅であると認定した。

(離婚後の)小花梅は当時すでに異常な言動と行動を起こしており、同村の桑某妞(48)という女性が「治療と最適な再婚相手を探す」ことを目的として江蘇省に連れて行ったが、江蘇省連雲港市東海県にて「はぐれてしまった」という。

楊某侠の「夫」である董某民と(楊某侠を江蘇省に連れて行った)桑某妞、桑某妞の夫である時某忠(67)の3人はそれぞれ拘禁罪と人身売買の疑いで刑事的強制措置を受けている。

その後、数名のフリージャーナリストが雲南省亜谷村の村民と小花梅の親族に対して現地取材を実施。その結果によれば、小花梅は確かに実在し、病気を患っていたことや20年以上前に音信不通になっていた事実がわかり、公式発表の情報と基本的に一致した。

見た目と年齢が大きく異なる結婚証明書

しかし、ここにきて新たな疑問が浮上している。

2022年2月15日午前、フリージャーナリストの鄧飛は、楊某侠と董某民が1998年8月に登録した結婚証明書の画像を独自に入手し、SNSのウェイボーに投稿した。

鄧飛が入手した結婚証明書の写真(鄧飛のウェイボーより)

多くのネットユーザーがその結婚証明書の写真を見て、雲南省のリス族の「小花梅」とされる楊某侠が、動画で鎖につながれていた女性とは見た目も年齢も大きく異なり、「同一人物には見えない」と疑問を呈している。

鄧飛がウェイボーに公開した董某民と楊某侠の結婚証明書を見ると、董某民と楊某侠は1998年8月2日に豊県歓口鎮の婚姻登録所で結婚登録を行っており、そこには赤い印鑑が押されている。楊某侠は「1969年6月6日生まれ」となっている。

鄧飛はウェイボーに、「私は(結婚証明書の)写真の女性が動画に映っている楊某侠(鎖でつながれた女性)であるかどうかは判断できない。そのため、徐州市の合同調査チームに対しこの手がかりを提供した。江蘇省の公安ができるだけ早く当該女性の身元を確認できることを願っている」と投稿している。

財新は鄧飛に対して、当該内容は本人が投稿したもので間違いないことを確認している。

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