わざと注目回避?首相「勝負の会見」17日開催の謎 五輪への関心高まると予想された日に設定

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2月17日に新型コロナへの今後の対応について記者会見を開いた岸田文雄首相(写真:David Mareuil/Bloomberg)

岸田文雄首相が17日夜、首相官邸記者会見室で行った「コロナ会見」が、タイミングも含めて永田町で話題になっている。オミクロン株への後手対応批判の払拭を狙った「勝負の会見」との位置づけだったが、メディアの注目度も含め、国民へのアピールが空振りに終わった印象が強いからだ。

岸田首相がコロナ対策に絞った本格記者会見に臨むのは、就任後初めて。これまでの本格会見では、コロナ対策はほかの重要な政治課題に付随させる形で、菅義偉前首相が毎月繰り返したコロナ会見とは「似て非なるもの」(閣僚経験者)だった。

しかも、菅氏の会見とは異なって、傍らに尾身茂政府分科会会長が寄り添い、専門的な見解は首相に代わって説明する形式もとらなかった。菅氏を苦しめた「どちらが首相かわからない」との国民的批判を避けるための、“尾身外し”とみる向きも多かった。

勝負の会見にはふさわしくない設定

さらに、17日午後7時からという会見日時も、「勝負の会見にはふさわしくない設定」(自民幹部)だったとの受け止めが少なくない。

というのも、同日はウクライナ危機が極めて緊迫化する一方、北京冬季五輪での日本選手のメダルラッシュという「ニュースの特異日」(民放幹部)となった。が、そうした事態によって首相会見への注目度が低くなることは十分予想されていたからだ。

そして翌18日の各中央紙朝刊の1面トップの半分以上は、スピードスケート女子1000メートルの髙木美帆選手の金メダル獲得を称える記事で、首相会見はその内容を事務的に伝える準トップ級にとどまっていた。また、17日夜から18日にかけての民放テレビ各局のニュースや情報番組もほとんど五輪一色で、首相会見はウクライナ情勢の後の付け足し程度だった。

こうした状況にもかかわらず、首相サイドからは「すべて承知のうえでの会見設定」との声も漏れてくる。「変に注目されれば、首相批判が倍加するだけ」との読みからとされ、政界に「まさに鵺(ぬえ)のようなしたたか岸田流」(自民長老)とのうがった見方も広がる。

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