自己肯定感が「低い日本人」「高いドイツ人」の違い 謙虚で聞き上手な日本人、実は損をしがち?
人に迷惑をかけないようにと育てられた人は、当然そうした行動に敏感になりがちです。それが返って、自己主張が苦手で、自己肯定感の低い日本人にもつながっている気もします。
どれだけ注意しても、誰にだって年に数度は誰かにとって「迷惑な存在」になることがあるはずです。大きな荷物を持ってバスの狭い通路をふさいだり、満員電車の中で子どもが泣き叫んだり、急ぎ足で歩いていたら人にぶつかってしまったり。
誰にも迷惑をかけない生き方なんて、実現不可能な気さえします。
「自由な生き方」を認めるドイツの幼稚園
では、自信家の多いドイツの教育はどうでしょうか? 筆者がドイツの幼稚園に通っていたときの記憶はあまりにも楽しく、40年近く経ったいまでも当時のことを鮮明に思い出せるぐらいです。
基本的にドイツの幼稚園には「何時から、皆で一緒に何々をする」といった決まったルールやカリキュラムはありません。
登園したら園児は自分の好きなことをして自由に遊びます。筆者が通ったミュンヘンのカトリック系の幼稚園には、大きな部屋に人形のコーナーや積み木のコーナー、絵本のコーナー、お絵かきのコーナーなどがありました。
筆者の場合、いつも決まった友人たちとお人形ごっこをするのが日課でした。先生から「ほかのお友達とも遊びましょう」「ほかのコーナーでも遊びなさい」などと注意を受けた記憶はありません。
好みが偏っていたとしても、特に心配や矯正されることもありません。「自分の好きなことを、時間が許す限りやってもいいんだ」ということを幼稚園時代から学べたことは、今も私の生きる支えになっている気もします。
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