自己肯定感が「低い日本人」「高いドイツ人」の違い 謙虚で聞き上手な日本人、実は損をしがち?

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筆者の父はドイツ人で、日本語は片言しか話せませんでした。一方で、日本人の母は今でこそドイツ語を早口で話しますが、筆者がドイツに住んでいた子どもの頃は、彼女のドイツ語もたどたどしかったことを覚えています。

そんな両親は最初の子どもである筆者の日本語とドイツ語のバイリンガル教育に力を入れました。それぞれの母国語を話す筆者を、両親は何かと褒めてくれました。親バカでもあったのでしょうが、話すたびに「すごいね!」と感動してくれたことが筆者の自己肯定感につながっているようにも思えます。

「私が、私が」はそんなに悪いのか?

日本とドイツの文化はなにもかも違いますので、一概に「どちらの国のほうが優れている」と評価できるものではありません。ただし、自己肯定感だけにスポットを当てると、聞き上手が美徳とされる日本人よりも、自分の好きなことを好きなだけ話すドイツ人のほうが精神衛生上いい気がします。月並みな言い方になってしまいますが、日本人はもっと自分に自信を持ったほうがいいと思うのです。

内閣府の「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(平成30年度)」によれば、「自分自身に満足している」と答えた人はドイツ人では81.8%なのに対し、日本人はわずか45.1%。この自信のなさが、冒頭の自殺率の高さにつながっているように思えて仕方ありません。

最後に、この文章を読んでいる親御さんに一言。もし子どもが「僕が、僕が」「私が、私が」と自分の話ばかりしていても、そこに自慢ばかりが交じっていても、大目に見てあげてはいかがでしょうか。

子どもが幸せな人生を歩むには自己肯定感は必須。そのためには、自慢も大げさに褒めてあげるぐらいがちょうどいい気がします。

サンドラ・ヘフェリン コラムニスト

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Sandra Haefelin

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴20年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「ハーフといじめ問題」「バイリンガル教育について」など、多文化共生をテーマに執筆活動をしている。著書に『ハーフが美人なんて妄想ですから!!』(中公新書ラクレ)、『ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(ヒラマツオとの共著/メディアファクトリー)など著書多数。

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