MRJついに公開!「世界市場の半分を取る」 三菱航空機トップが語る世界戦略

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一方、MRJはイチからの開発なので、P&W社の最新鋭エンジンの性能を最大限引き出せるような設計になっている。E2の登場で差は縮まるが、それでもMRJに燃費性能などの優位性はある。

エンブラエルにあって三菱に欠けているのは、旅客機メーカーとしての実績。「日本の三菱がMRJはすごいと言ってるが、あいつらに本当にできるのか」と、懐疑的な見方をしているエアラインもあるだろう。

そうした不安を払拭するためにも、MRJの開発プロジェクトを一歩一歩、確実に前進させていくことが非常に需要だ。たとえば、飛行試験が始まって、燃費性能の高さを実際のデータで証明できれば説得力は増す。

今後20年で5000機の新造需要

川井 昭陽(かわい・てるあき)●1948年生まれ。73年京都大学大学院航空工学専攻修了、三菱重工業に入社。2008年に航空宇宙事業本部長。11年三菱航空機副社長を兼務。13年から現職(撮影:和田英士)

――目標とする受注機数、シェアは?

100席以下のリージョナル機は今後20年間で5000機前後の新造需要が見込まれている。今は米国と欧州が大きな市場だが、今後はアジア、中南米などでも需要が伸びてくる。世界市場の半分以上を取るぐらいの気持ちでやっている。

――量産体制の確立など、機体の開発以外にも多くの課題が残っています。

そのとおりだ。旅客機のビジネスをやっていくには、開発以外でもいろんな準備が必要。

具体的なものを挙げると、量産体制やカスタマーサポート体制の構築、(エアラインに機体を購入してもらう際に提案する)ファイナンスメニューの充実などが大きな課題としてある。機体の開発作業と並行して、三菱重工グループ全体でこうした準備もしっかりやっていく。

渡辺 清治 東洋経済 記者
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