【産業天気図・鉄鋼】原料高分の価格転嫁進まず、電機の需要も反動減。10月以降は「曇り」続く


 期初から原料炭、鉄鉱石とも大幅な値上がりが進んだが、足元は一服感が立ている。鉄鉱石は4~6月期に倍増、7~9月も2割強値上がりしたが、鉄鉱石のスポット価格は今年4月をピークに調整しており、10~12月は1割程度の下落が決定的。原料炭の中でも高品質の強粘結炭も4~6月で55%上昇しトン当たり200ドル、7~9月は225ドルまで値上がりしたが、10~12月は209ドルに下がる。

こうした原料価格の先安感の台頭で製品価格への転嫁は鈍くなっている。特に、ひも付きと呼ばれる大口需要家向けの契約は自動車向けだけでなく造船向けでも半期25%程度の価格引き上げで決着したが、その新価格の適用が遅れている。ただ、店売りでは4月から随時鋼材価格の引き上げが進んでおり、あらゆる鋼材価格が上昇した。4~9月の上期はマージン悪化が続いても、10月以降は、ある程度は平常化してきそう。

今後マージンの改善は進むとしても、主要顧客である自動車、電機、機械など外需依存度の高い企業が牽引した年前半に比べ、円高が進行した年後半の見通しは懸念材料が膨らんでしまっている。本格的な「晴れ」は当面望めず、「曇り」が続きそうだ。
(山内 哲夫=東洋経済オンライン)

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