小湊&いすみ鉄道、首都圏で満喫「国鉄型キハ」の旅 キハ40形導入で魅力度アップ、房総半島を横断

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小湊鉄道+いすみ鉄道の旅は、東京から日帰りで、ローカル線2路線が味わえる癒やしのルートとでも名付けてみようか。東京の近くにこんな風景があることに驚くかもしれない。割引切符もあり、「房総横断記念乗車券」(1730円)は、後戻りはできないが途中下車可能なので、上総牛久、養老渓谷、上総中野、大多喜などと下車しながらローカル線の旅をするのにいいだろう。まさに鉄道ファン向けの割引切符だ。

東京から五井までと大原から東京までの乗車券をプラスすると、日帰りとはいえそれなりの出費になるが、東京メトロ沿線からなら、西船橋を起終点にするとトータルでリーズナブルな交通費に納まる方法などもあるので、コスパの高いルートを考えてローカル線の旅を楽しみたい。

キハ40形誕生の頃は…

話はキハ40形に戻るが、キハ40系は国鉄時代に製造され、キハ40形(両運転台)、キハ47形(片運転台でドアが車体中央寄り)、キハ48形(片運転台)があった。なかでもキハ40形は製造された数が多く、両側に運転台があるので、1両で走ることができ、ローカル線で重宝していたが、JR各社はここのところエンジン発電モーター駆動の新型車両開発に力を入れ、キハ40系はその数を減らしている。

キハ40形は近年になって小湊鉄道ほか、北条鉄道、錦川鉄道にも導入されているほか、あまり知られていないところでは、会津鉄道のお座敷車両がキハ40形の改造である。ミャンマーなど海外へ渡った車両も多い。

片側にしか運転台のないキハ47形やキハ48形は最低2両単位での運転となり、JRの観光列車に多く改造されている。

山陰本線鳥取地区は現在もキハ40系の宝庫(筆者撮影)

キハ40系が現在でも多く運転しているのはJR西日本の中国地方であるが、残り少なくなった国鉄形として人気上昇中の車両である。JR東日本管内では、五能線、津軽線、羽越本線、磐越西線などにエンジン発電モーター駆動の新型車両が導入され、キハ40系は一部の観光列車以外では姿を消している。

私の記憶では、キハ40系はそれまでのキハ20系の置き換え用で、キハ20系がオレンジとクリーム色のツートンカラーだったのに対し、キハ40系は登場時から首都圏色といわれた朱色一色だったので、「錆び止め塗装みたい」と、当初は鉄道ファンには不評であったのだが。

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