ローソン、成城石井を買収した真意とは? 玉塚元一社長に独占インタビュー
──買収は新浪氏と玉塚社長のどちらが主導したのですか。役員を送る予定は。
(主導は)僕だね。案件として本格的な検討を始めたのは、新浪さんがローソンの経営にほとんど関与しなくなった5~6月だから。一回、頓挫しそうになったが……。
経営陣に関しては、基幹部分を変えないということが、今回の買収条件の一つだった。ローソンから役員クラスは非常勤で2人ほど出す予定だが、あくまで現在の執行体制を支援する。
──「ローソンも丸の内キャピタルも三菱系列の企業。結局“出来レース”では」との皮肉な見方もあります。
三菱商事は多岐にわたる商売をしており、事業ごとの公平性やコンプライアンスを気にする会社。今回もガチンコの検討だったし、事前の情報交換もできなかった。
ローソングループの成長が大事
──既存店売上高がマイナス続きなのにM&Aをして、店舗のオーナーから不満の声が上がっていませんか。
ローソングループ自体が隆々と成長することが大事だ。成長し続けることが、優れた商品を生むし、投資も可能にする。そういう文脈で理解してもらえると思う。運営に長けたオーナーに、成城石井の小型モデルを将来やってもらう可能性もある。
──上期決算会見では、「国内コンビニ事業が最も大事」と強調していましたが、どう戦略を描いていますか。
日用品や医薬品の強化店を増やしたり、品ぞろえを拡充したりして、ニーズに対応する。まだまだ出店余地はある。ただし、単に出店数を目標にするのは極めてナンセンスであり、質を担保しながらやる。たとえば、1店舗当たりの粗利率を上げるために、強みのファストフードをもっと成長させていく。
セブン‐イレブンが強いのは事実だ。われわれの努力が足りないというのもある。セブンができていて僕らができていないことは、謙虚に自問自答しなければならない。そのうえでイノベーションや挑戦は大事。全社員で考え、全社員で実行する経営に持っていきたい。知恵を絞ってチームで結果を生み出すのが、小売業という商売の難しさであり、面白さでもある。
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