ファミマ、環境悪化に加え積極出店も裏目 コンビニ3番手が一転減益に陥った理由
「想定以上に消費回復は(遅れており)厳しい状況だ」。
ファミリーマート(以下、ファミマ)の中山勇社長は10月8日、2015年2月期・第2四半期決算会見の場で、苦渋の表情を浮かべた。売上高にあたる営業総収入は前年同期比5.3%増の1843億円だったが、営業利益は同15.8%減の214億円で、期初に打ち立てた計画(262億円)を2割近く下回った。
これに伴い、通期予想も下方修正。営業総収入は前期比9.3%増の3779億円(期初計画3863億円)、営業利益は同7.6%減の400億円(同460億円)に引き下げた。営業減益は10年2月期以来で5期ぶりになる。韓国からの撤退に伴う株式の売却益で、最終利益は同12.8%増の255億円を確保する見込みだ。
天候不順と増税だけが原因か?
ファミマでは消費増税のあった4月以降、既存店1店あたりの1日平均売上高が、前年同月比を割り続けている。「特効薬はない。品質を上げ、驚きのある商品を作るなど、シンプルなことに取り組んでいく(ほかない)」(中山社長)。
この上期の1店あたりの1日客数は、前年同期と比べて約2%(約20人)減った。中山社長は「20人のうち15人ほどは増税でタバコを買いに来なくなった人たち」とみており、それが「今後も戻ってくることはない」と想定しているという。この減少分を、新たに強化している冷凍食品などで補い、10月以降には月間売上高が前年を上回るとみているが、効果は未知数だ。
実際、今回の厳しい結果は天候不順や消費増税といった外部要因でなく、内部要因にもあるのではないか――。記者からそう問い詰められた中山社長は「調理パンなど好調なものもある。やはり商品力が重要なファクター」と返答。需要を掘り起こし切れなかったことが今回の苦戦要因であるのを認める格好になった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら