維新と次世代、うわべだけだった円満離婚 参院ポストを巡って暗闘、猪木議員は消沈

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さらには維新の党は、アントニオ猪木氏が力を入れていた外交防衛委員のポストも奪っている。代わりに猪木氏に与えられたのは、文教科学委員のポストだった。この件について猪木事務所に尋ねると、「文教科学委員会の担当分野にはスポーツが含まれているので、議員がやりたいことと異なるわけではない」との回答だったが、次世代の党の某議員はこう述べている。「猪木さんは北朝鮮問題など外交政策をやりたいと張り切っていたのに、可哀想にすっかり気落ちしているようだ」。

維新と次世代のゴタゴタは衆院でも

ゴタゴタは参院だけに限らない。実は衆院の方も、問題なく円満に離婚できたわけではなかった。

「彼らは罰あたりですよ」と次世代の党の関係者は憤る。「衆院第二議員会館の政策調査会の部屋には神棚が設置されていたのですが、分党する際に財産を分けた時、維新の党側は『これはいりません』と邪魔もの扱いをしたのです」。

もともとは神棚の設置は、太陽の党が持ち込んだもの。旧太陽の党のメンバーが次世代の党として別れたわけで、もはや維新の党にすれば関心が薄いものだったといえる。

「神棚を邪魔者扱いするのは仕方がないとしても、彼らは細かいところまで取り込もうとした。財産分与の基準となる議員の数を6月5日基準に確定すると決めたにもかかわらず、その後に次世代の党から維新の党に衆院議員の三木圭恵氏が移動すると、『三木氏の分もうちがもらう』と言ってきたのです」

カネの切れ目が縁の切れ目。維新の党には、神も仏も人の情けもないということなのだろうか。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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