西島秀俊が50歳で「仮面ライダー」演じる納得の訳 「心の中にあるヒーロー像が仮面ライダー」

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一方で、今後については「僕は欲深いところがある。何か自分で限定するのではなく、いろいろなものをやっていきたい」と多様な作品に挑戦していきたいと語った。そのうえで「役も当然そうで、『ドライブ・マイ・カー』の家福のように本当に難しい作品もやりたいですし、『きのう何食べた?』みたいに、何でもないような日常の大切さを演じる役……普通の気の弱いお父さんが困難に立ち向かうこともあるでしょうし、カップルの幸せな、時々、ケンカもするような日常の話もやりたいし」と、やりたい役どころを矢継ぎ早に口にした。そして、こう続けた。

「激しいアクションもやりますし…特撮も。全部、やりたい」

心の中にあるヒーロー像が仮面ライダー

西島は今年、配信予定の「仮面ライダーBLACK SUN」(白石和彌監督)で、仮面ライダーBLACK SUN(ブラックサン)こと南光太郎を演じる。ライバルの仮面ライダーSHADOWMOON(シャドームーン)こと秋月信彦役を演じる中村倫也(35)とダブル主演という立ち位置だ。主演が発表された当時、西島は「ヒーローの原型というか、心の中にあるヒーロー像が仮面ライダーなので、演じることができることが本当にうれしかった。もともと、参加したいというのが、ずっとあった。自分にとってベストの形で仮面ライダーの役のお話を頂いた」と語っていた。

西島を取材したのは、折しも同作がクランクインした翌日だったので、50歳で「仮面ライダー」を演じる思いも聞いてみた。「白石監督なので、やっぱり人間の本質を描こう…仮面ライダーを通して人間というものを描こうという、強い、情熱と意志を感じるので、そういう作品になっていくと思います」と作品への印象、思いを語った。そのうえで、こう続けた。

「えっ!? と驚いていただけるような、いろいろな役に挑戦していきたいと思っています」

西島が受賞した日刊スポーツ映画大賞主演男優賞は、1988(昭和63)年にスタートした。その第1回で主演男優賞を受賞したのは「男はつらいよ」シリーズで知られる渥美清さんだった。西島は「第1回、渥美さんなんだと。そうそうたる皆さんが受賞した賞。非常にうれしい」と、渥美さんから連なる系譜に名を記したことを喜んだ。

かといって、50歳になっても落ち着くそぶりはみじんも見せず、挑戦への意欲は燃え上がる一方だ。その姿を、そしてこの先の西島の歩みを、ずっと追いかけていきたくなった。まずは「仮面ライダーBLACK SUN」の撮影が終了した後に、50歳で仮面ライダーを演じきった思いを聞いてみたい。俳優・西島秀俊が、映画と演技の地平を、どこまで広げていくか…映画記者として、楽しみで仕方がない。

(村上幸将)

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