10年の小野寺政権に幕、続くKDDIの苦境

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 一方、昨年まで「一般ユーザーがスマートフォンを使いこなせるか、まだ懐疑的」(小野寺社長)と主張してきたKDDIは両社の攻勢を尻目に機種投入には及び腰だった。

固定通信事業はそれに輪をかけて厳しい。ソフトバンクなど競合他社が固定通信の成長性を見切り、投資を切り詰める中、KDDIは光ファイバーへの積極投資を継続。結果、終わった09年度まで6期連続、総額2759億円と巨額の赤字を計上している。

今年2月に3000億円超の巨額出資を行った、ケーブルテレビ(CATV)最大手ジュピターテレコムとのシナジー創出も大きな課題だ。

「今のKDDIは官僚主義的でまるでミニNTTだ。上層部と現場が乖離していて、一緒に仕事をしていても決断が遅い」。業界内からは、KDDIの経営判断の遅さを指摘する声が漏れ聞こえる。

田中次期社長は会見で「変化に対応できる新たなKDDIを作っていく」と、攻めへの転換を強調した。スマートフォンも積極投入する姿勢を見せるが、競争環境が激変する中、厳しい船出となる。

■KDDIの業績予想、会社概要はこちら

(桑原幸作 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2010年9月25日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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