「人生100年時代、年齢は操れる」提唱者が語る真意 長く生産的で健康な生活を送る3つの行動戦略

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今回の新型コロナウイルスも、人生や働き方を見直すきっかけとなっている。パンデミック以前、社員は長時間通勤し、職場で何時間も働いてから家に帰るというのが当たり前だった。そのため、新しいことに挑戦したり、健康を維持したり、家族や友人と強い絆を築いたりという時間がほとんどなかった。

しかし、今回のパンデミックで多くの人が自宅で仕事をするようになると、たとえ自宅で仕事をしても社員が生産的になれると一部の経営者は理解した。そのような経営者の間では、より柔軟な働き方を試みる動きも出ている。

こうした企業変革は非常によいニュース。人々がマルチステージの人生を構築し70代まで働くために不可欠な、働き方の柔軟性を生み出すからだ。

自分がどうなりたいかを想像して思考する

また個人がより積極的に動くためには、「ありうる自己像」という考え方を挙げたい。「ありうる自己像」とは、自分がどうなりたいかを想像し、何が可能かについてより創造的かつ実験的になれるよう、新たな人生に思考を巡らすきっかけとなるものだ。

例えば、自分がなりたい姿に近い人たちと一緒に過ごしてみてはどうだろうか。彼らは新しい働き方や生き方のロールモデルとなる人たちだ。

自らの中に、起業家として「ありうる自己像」が存在するかもしれない。その場合、起業家とのネットワークをつくり、彼らがどのように時間を過ごし、どのような動機で行動しているのかを理解することに意味がある。そうすることが、変化に向けたヒントを多くもたらしてくれる。

長生きのための計画を立てることも勧めたい。50代に入ったらすぐに、いや、もっと早くから、どうすれば年を取っても生産的なキャリアを送れるかを考えるべきだ。

そうすれば、ネットワークを広げ、新しいことに挑戦し、80、90代にどのような人生を送りたいかを考え始めるきっかけになる。

林 哲矢 東洋経済 記者

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はやし てつや / Tetsuya Hayashi

日本経済新聞の記者を経て、ハーバード大学(ケネディスクール)で修士号。『週刊東洋経済』副編集長の後、『米国会社四季報』編集長。

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