仕事を辞めた人ほど「老け込んでしまう」納得理由 「◯歳を機に仕事を辞める」のは得策ではない
誰かと協働し、誰かの役に立ったり、誰かに必要とされていると感じることは、いつまでも現役意識を維持することに大いに役立つはずです。
70代になったら、ことさら「引退」などということは考えず、現役の意識を維持することが大切です。それが、一気に老け込むことを防いでくれます。
なぜ長野県民は長生きなのか?
働き続けることが、私たちの老化を遅らせ、いつまでも若々しくいさせてくれるとは前述しましたが、そのことはデータでも裏づけられています。
長野県はかつて、都道府県のなかでも平均寿命のデータは下位に位置していましたが、1975年に男性が全国第4位となり、その後上昇しはじめ、1990年以降、全国1位を何度も記録しています。
女性においても、2010年の調査で第1位となり、男女ともに平均寿命の都道府県ナンバーワンになりました。厚生労働省の最新の発表である2015年の調査結果でも、男性が81.75歳で全国第2位、女性が87.67歳で第1位です。
これほどまでになぜ、長野県が長寿県なのか、さまざまな推測がなされました。長野県には、イナゴや蜂の子などの昆虫を食べる習慣があるからだとか、地形的に山間部が多く、山道をよく歩いて足腰が鍛えられているからだといった理由が挙げられたこともあります。
しかし、近年では、昆虫を食べることも減ってきていますし、自動車の普及が進み、山道を歩くことも少なくなってきていますので、この仮説にはあまり説得力がありません。
私は本当の理由は、長野県の高齢者の就業率にあるのではないかと考えています。長野県はこれまで、高齢者就業率において都道府県ナンバーワンを何度も記録しています。
総務省統計局発表の最新のデータでも、2017年10月1日現在、高齢者の有業率は長野県の男性が41.6%で全国第1位。女性も21.6%で第1位です。私は少なくとも男性においては、この就業率の高さが平均寿命の長さに反映していると考えています。
家にこもることなく、働くことが運動機能、脳機能の老化を遅らせ、高齢者の寿命を延ばしているのだと考えます。
このことは、沖縄の平均寿命と就業率の関係からも見て取れます。沖縄県は長寿県のようなイメージがありますが、実際は、女性は長寿ですが、男性の平均寿命は全都道府県中30位以降にあり、全国平均を下回っています。
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