昨年も180万部減、全然止まらぬ「新聞」衰退の末路 「毎日」「産経」規模の部数が毎年消失している
主な夕刊廃止の動きをざっとまとめておこう。◎は地方紙よりも発行エリアの狭い「地域紙」であり、かつ、もともと夕刊しか発行してない。
【2021年】
◎根室新聞(北海道)、◎千歳民報(同)、◎両毛新聞(栃木県)、◎近江同盟新聞(滋賀県)、熊本日日新聞
【2020年】
東奥日報(青森県)、山陽新聞(岡山県)、徳島新聞、高知新聞、大分合同新聞
【2010~2019年】
岩手日報、秋田魁新報、岐阜新聞、◎岡山日日新聞、中国新聞(広島県)、沖縄タイムス(沖縄県)、琉球新報(同)
2009年以前には、早々と北日本新聞(富山県)や南日本新聞(鹿児島県)などが夕刊から撤退し、夕刊紙の名古屋タイムスは廃刊した。また、朝刊だけの発行だった茨城県の常陽新聞は2017年に廃刊した。こうした動きはさらに強まっており、新聞界に影響力を持つ有力新聞が夕刊発行の停止に踏み切るとの話もくすぶっている。
あと5~6年で最終局面を迎える
ここ数年、日本では「新聞社はあと5~6年で最終局面を迎える」「淘汰と合従連衡が本格化し、新聞のないエリアが生まれ、そこがニュース砂漠になる」といった議論が絶えない。
ニュース砂漠とは、経営破綻によって新聞が存在しなくなるという「ニュースの空白地域」だけを指す言葉ではない。地域の議会や行政に対して恒常的に目を向ける存在がなくなることによって、社会に対する住民の関心が薄れ、政治・行政の不正や不作為などが進行する状態を意味する。
「ニュース砂漠」については、アメリカのノースカロライナ州立大学がまとめた「ニュース砂漠とゴースト新聞 地方ニュースは生き残れるか?」に詳しい。それによると、アメリカのニュース砂漠は次のような状況だ。
【消えゆく読者とジャーナリスト】 新聞の読者とジャーナリストの半数も、この15年間で姿を消した。現存する6700紙の多くは、新聞社も読者も激減し、かつての面影はなく、「幽霊新聞」と化した。こうした実態は地方紙の影響力低下を物語っており、デジタル時代の地方紙が長期的に経営を継続できるのかという疑問を突きつけた。
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