オラクル、戦略商品「スパークM7」で存在感 オラクルオープンワールド2014現地リポート(4)
4日目を迎えたオープンワールド。この現地リポートも今回で最終回だ。オラクルはこの日、ハードウエアでの新展開について積極的にアピールを行った。特に会場の関心が高かったのがソフトウエアインシリコン、「スパークM7」だ。これはチップの上にデータベースを乗せてしまったもので、圧倒的に処理のスピードが速くなる。ハードもソフトも両面展開するオラクルの強みが出る製品といえる。
朝8時半からのキーノート(基調講演)は、サンマイクロシステムズから引き継いだハードなどのシステムを担当するジョン・ファウラー副社長。新製品のソフトウエアインシリコンを掲げる姿が印象的だった。
サンから受け継いだハード部門でも新展開
実は、ファウラー副社長は、サンマイクロシステムズ時代もCTOとして製品開発に携わってきた。サンマイクロシステムズはCPUを80年代から開発してきた歴史があり、業界首位を取ったこともあったが、投資を怠って落ち込んだ歴史があると語った。
オラクルが買収した当時は、何度もラリー・エリソンに怒鳴られたと言う。それほど、満足のいかない状態にあったというのだ。買収後はこの分野の投資を大幅に増やすことになったが、デザインについては再検討した。そして、買収直後から「野心的なロードマップも描いてきた」という。その成果の一つが、このソフトウエアインシリコン。それだけに誇らしい気持ちもあるのだろう。
「話すのはかんたんだが、実行するのは大変だった。チーム編成をし、データベースチームと協力し、シミュレーションをつくって、基本的に変えた」(ファウラー副社長)。これが来年にも発売されるという。
オラクルでは、50億ドルをエンジニアリングに投資している。プロジェクトの件数は膨大だ。狙っている一つが、現状把握を簡単にすること。「専門知識がないとサーバーをのぞいても、異常を見つけることもできない。どういう風に使われているか把握できているところは少数だ。それを簡単にしたいし、そのためのツールを提供したい」(同)というのだ。
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