ミドルクラスを問いなおす 格差社会の盲点 渋谷望著
高度経済成長以降、一貫して中流(ミドルクラス)意識が高い日本人。社会学者である著者は、中流を「資本による労働力の商品化の圧力に対して『個人単位』の上層思考によって対応しようとする戦略を採用する人々」と定義。この意識が、高度経済成長期から現在までこの国の原動力となってきたと考える。
しかし、中流意識はさまざまな矛盾もはらんできた。たとえば、家のローンのための過密労働。少しでも上の学校に入るための受験戦争など。人々は中流であるための強迫観念から逃れられず、ゲームから降りることができない仕組みになっていると説く。
戦後日本のミドルクラスの精神史をひもときながら、そこからの脱却を論じる。
NHK出版生活人新書 777円
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