腎機能や脳卒中、心筋梗塞のリスクも高まるというデータもあります。ハーバード大学が3000人以上の女性を11年間、追跡調査したところ、ダイエット・ソーダを1日2缶以上飲んでいた人は、飲んでいなかった人に比べて、腎機能が30%低下していました。
コロンビア大学の調査では、血管系疾患の発症リスクを高めると報告しています。ダイエット・ソーダを毎日飲んだ人たちは、飲んでいない人に比べて、脳卒中や心筋梗塞などを発症するリスクが43%も高かった。
どちらの調査も、「カロリーあり」の糖類が入ったソーダを飲んでいた人には、これらのリスクは認められませんでした。
つい先日の9月17日、英科学誌『ネイチャー』に、人工甘味料が腸内細菌に作用して代謝異常を起こすという報告もされました。まだまだ人工甘味料に関する私たちの体への影響は不明な点が多く、今後も新しい研究成果が報告されると思います。
天然甘味料も安心できない!
──人工甘味料が健康に悪そうなことはわかってきました。いったいなぜ飲料メーカーは人工甘味料を使うのでしょうか。
まずアメリカで肥満の人が増えて大問題になってきたからです。日本の基準でいうと、7割のアメリカ人が肥満。だから、「カロリーゼロ」の人工甘味料にメーカーが飛びついた。もちろん消費者もそれを歓迎しました。
──日本の飲料メーカーと消費者も飛びついた、と。
そもそも肥満が増えた原因は、天然甘味料の異性化糖です。これは「天然」の糖なのですが、安心できません。アメリカでは大問題になっていますが、日本ではまだほとんど問題になっていません。
──異性化糖とはどういうものですか。
異性化糖は「ぶどう糖果糖液糖」や「果糖ぶどう糖液糖」などと呼ばれるものです。糖のうちの果糖の割合が50%未満のものを「ぶどう糖果糖液糖」、果糖の割合が50%以上、90%未満のものを「果糖ぶどう糖液糖」と言います(※果糖の割合が90%以上のものは「高果糖液糖」)。
──「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」って、「糖」が3回も出てきますけど、天然なら体によさそうです。普通の砂糖とどう違うのですか。
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