だれかを犠牲にする経済は、もういらない 原丈人・金児昭著

だれかを犠牲にする経済は、もういらない 原丈人・金児昭著

国際的に活躍するベンチャー投資家と日本を代表する経理の専門家による対談集。短期的利益を追求するマネーゲームの世界に対する厳しい批判と、長期的な視点からの実業をいかに定着させるかの提言が主題となっている。ウォールストリート流株主資本主義を捨て、公益資本主義こそが目標とされなければならないとされるが、要するに社会への貢献という公益のために利益を追求する資本主義の勧めであり、「三方良し」の経営哲学とも通じるところがある。

とはいえ単なる道徳論ではもちろんない。現代的問題提起がなされて減損会計、IFRS(国際会計基準)、J-SOX(内部統制)、排出権取引などの欠陥が容赦なく槍玉に挙げられる。グローバルスタンダードの御旗にひれ伏す産業界の思考停止への批判は爽快でさえあり、そのうえでの、日本の未来に希望が増してくる分析と提案は説得力十分だ。コンパクトだが充実した内容で読ませる。(純)

ウェッジ 900円

  

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