上陸間近!ルノー「アルカナ」抜群の走りを確認 ハイブリッド専用で導入される新クーペSUV

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試乗車はスポーティな「R.S.ライン」で、日本での発売車種はこれになる可能性が高い。ゆえにキャプチャーのそれに似たインパネにはカーボンパネルや赤いストライプが施され、シートの仕立てはR.S.ラインらしく一部にアルカンターラを奢る。フル液晶のメーターは4つの表示モードが選べる。

感心したのはリアシートで、身長170cmの僕が楽に座れた。座面を低くして頭上を確保したのではないため自然な姿勢が取れるし、ルーフに頭が触れることもない。

480リットルの荷室容積を持つラゲッジスペースは奥行きがたっぷりしているうえに、リアゲートが前後に長いので奥のものも出しやすそうだ。

注目は「E-TECH」ハイブリッドシステム

このボディに積まれるハイブリッドシステムは、「E-TECH」と呼ばれる。F1のパワーユニットを参考に設計されたとのことで、1.6リッター直列4気筒自然吸気エンジン、2つのモーター、ドグクラッチ式トランスミッションからなる。

ルノーには、同様のメカニズムを持つプラグインハイブリッド(PHEV)もあり、電気自動車(BEV)でも実績を残している。その中でルノーがHEVを手がけたのは、これを“ディーゼルエンジンの代わり”と位置付けているからだという。

アライアンスを組む日産のe-POWERを採用しなかった理由を聞いてみると、「110km/h以上で効率が落ちるため、ヨーロッパでは不利になる」という答えが返ってきた。

最高出力/最大トルクは、エンジンが94ps/15.1kgm、メインモーターが49ps/20.9kgm、スタータージェネレーターの役目も担うサブモーターが20ps/5.1kgmで、システム全体では143psになる。リチウムイオン電池の容量は1.2kWhだ。

今回、試乗した「アルカナR.S.ライン」のエンジンルーム(写真:ルノー・ジャポン)

フランスでは、キャプチャーやルーテシアに積まれる1.3リッターターボのマイルドHEVも搭載されており、その最高出力は140psとE-TECHに匹敵するが、現地のモード燃費は17.5km/Lに対して20.8km/LとE-TECHが上回る。

トランスミッションはエンジンが4速、メインモーターが2速になる。それぞれにニュートラルもあるので、トータルで5×3=15通りのモードを持つ。さらにサブモーターも、必要に応じて駆動や回生を行う。

エンジン車のルノーと同じ、マイセンス/スポーツ/エコの3つのドライブモードもあり、スポーツでは2つのモーターがエンジンをアシストするなどの制御を行う。

まずはマイセンスモードを選び、Dレンジにセレクターレバーを入れて走り出すことにした。

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