優勝スピーチで用いた恩師・野村監督のあの言葉 燕・高津監督が語った日本一への思いと今後
――前回に引き続き、日本シリーズでの日本一達成について伺います。オリックス・バファローズとの激闘はいきなりクローザーのスコット・マクガフ投手がサヨナラ負けを喫するという波乱のスタートとなりました。このシリーズでは1勝2敗2セーブとマクガフ投手中心のシリーズでしたね。
初戦でいきなりサヨナラ負けを喫して
高津 初戦でいきなりサヨナラ負けを喫するというスタートとなりましたけど、僕のなかでは「最後に投げるのはスコットだ」という思いはまったく揺るがなかったですね。シーズン中もそうだったように、そこはブレちゃいけないと思っていましたから。
――その一方では2021年シーズン開幕時の石山泰稚投手を、シリーズでは大事な場面で起用し、見事に結果を残すことで、石山投手の復活、再生の後押しも実現できたように思います。
高津 日本シリーズのような短期決戦での戦い方というのは、「調子のいい選手をどんどん使うこと」がとても大切だと思っていました。同時に「その選手の経験やプライドを尊重する」ということも意識していました。
石山の場合、今季はクローザーからスタートしたものの結果を残すことができず、その役割をスコットに奪われてしまいました。でも、シリーズ前の調子はとてもよかったし、経験もあるので、日本シリーズにおいて大事な場面を石山に任せるというのも、何のためらいもなかったです。
――ある程度、シリーズ開幕前には「石山はやれるぞ」という手応えがあったわけですね。
高津 コンディション的に手応えがあったし、経験もある。あとは「復活してほしい」という願いもあったのは事実ですね(笑)。その期待に見事に応えてくれたと思います。