優勝スピーチで用いた恩師・野村監督のあの言葉 燕・高津監督が語った日本一への思いと今後

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――日本シリーズ第6戦終了後、日本一を決めた勝利監督インタビューにおいて、高津監督は「感謝、感謝、感謝」というフレーズを述べました。これは1993年、高津監督が胴上げ投手となった西武ライオンズとの日本シリーズ第7戦の試合後、野村克也監督が発した言葉とまったく同じでしたね。

高津 はい。「日本シリーズで勝ったら言おう」と決めていました(笑)。僕はこれまでたくさんの試合を投げてきましたけど、「この1戦を」ということになれば、間違いなく93年の日本シリーズでのピッチングを選びます。第4戦、1対0の大事な場面で故障明けの川崎憲次郎のあとにマウンドに上がった試合、あの試合は生涯で一番緊張した試合でした。

試合後、いくら水を飲んでものどの渇きはとれなかった。だから、あの年の日本シリーズには強い思い出があるので、野村監督の言葉を引用させてもらいました。

今年の日本シリーズを振り返って

――改めて、今年の日本シリーズを総括していただけますか?

高津 まずはピッチャー陣が本当によく頑張ったと思いますね。先発した6人だけでなく、リリーフ陣も本当に粘り強く、自分の持ち味を発揮してくれました。もちろん打撃陣も、オリックスの山本由伸投手、宮城大弥投手を相手に勝ち星を与えなかった。初戦は敗れはしたけど、山本投手をマウンドから引きずり下ろすことができました。シリーズ前に「点を取られなければ何とかなる」と思っていた通りの試合展開が実現できたことが大きかったと思います。

――昨年の最下位からの大躍進。その要因は何だと思われますか?

高津 さっきも言ったように、今年のベンチの雰囲気は最高でした。以前から、「こういう雰囲気のなかで野球をやりたい」と考えていた通りのムードでした。もし負けたとしても、決して落ち込まずに前向きな気持ちで、「明日だ、明日!」と自然に思えるような雰囲気。勝っていたからそういうムードになったとは思うんですけど、このムードは来年以降も大切にしたいと思っています。

――さて、この連載「2021東京ヤクルトスワローズ 高津流燕マネジメント」も、今回が今年ラストです。1年間お付き合いいただいた読者の方に、監督からメッセージをお願いできますか?

高津 僕自身、「シーズン中にプロ野球の監督が何を考えているのか?」ということを、できるだけ正直に率直にお話ししたつもりです。その時々の僕の心境や考えを記録しつつ、結果的に「日本一」という称号を手に入れることができたシーズンを形に残せた連載となりました。

応燕していただいたファンの方には、心から感謝します。また来年も日本一連覇という目標に向けて頑張ります。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。1年間、どうもありがとうございました。

(インタビュアー:長谷川晶一)

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アルファポリスビジネス編集部

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