優勝スピーチで用いた恩師・野村監督のあの言葉 燕・高津監督が語った日本一への思いと今後

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第3戦の7回二死満塁、代打アダム・ジョーンズというピンチの場面で石山を起用したこと。三振に抑えてピンチを切り抜けたあとに、8回も続投させたこと。交代する理由が何もないから続投させたわけですけど、文句のないピッチングでした。

――初戦の手痛い敗戦を経ても、第3戦にマクガフ投手を起用したこと。大ピンチの場面で石山投手を起用して見事に復活の手応えをつかんだこと。いずれも、第3戦の継投によって、その後のシリーズの結果に大きく影響したような気がします。

高津 第2戦で高橋奎二が完封してくれたことで、頭を切り替える時間を持つことができました。そしてこの第3戦でスコットも石山も期待通りの結果を残してくれた。彼らに賭ける部分もあったけど、いい結果が出てよかったです。

大舞台の緊張と興奮は嫌いではない

――さて、今回の日本シリーズは全6試合、すべてが僅差の白熱した展開となりました。以前監督は「大舞台の緊張と興奮は嫌いではない」とおっしゃっていましたが、今回もその思いは変わらなかったのですか?

高津 結果的に勝ったから言えるのかもしれないけど、今回も多少の緊張と大きな興奮と、毎試合のハラハラドキドキがすべて重なった心境でゲームを見守っていましたね。

――選手たちも、ファンの人たちも「絶対大丈夫」という言葉を信じて戦っていたように思います。これだけ胃が痛くなるような激戦のなかで、監督自身は「絶対大丈夫」と信じていたんですか? ある種の自己暗示のような意味合いもあったのでは?

高津 うーん、僕自身「絶対大丈夫」と思っていましたね。今言ったように、少しの緊張と大きな興奮のなかで、やるべきことはやって不安はなかったですし、「我々が勝つものだ」と思っていましたから。

絶対大丈夫と思っていた(写真:アルファポリス編集部)

――この日本シリーズや、巨人とのクライマックスシリーズ(CS)もそうですし、ペナントレースでの大一番もそうでしたが、今季は「ここぞ」という場面での粘り強さ、勝負強さが目立ちました。この点について監督自身はどのようにとらえていますか?

高津 シーズン中の10連戦を7勝3分で無敗で乗り切ったり、10月の巨人、阪神との6連戦を5勝1敗で切り抜けたり、CSを2勝1分で通過したり、「はたしてどうかな?」というプレッシャーのかかる場面で、自分たちの力を発揮できたのは立派だったと思います。今年はベンチ内が常に「まだまだいけるぞ」という雰囲気でしたね。この雰囲気作りは狙ってできるものではないけれど、こうしたムードはこれからも大切にしていきたいと思っていますね。

――短期決戦において、「よそ行きではなく普段通りの野球をする」という考え方と、反対に「従来のやり方にこだわらずに臨機応変に対応する」という考え方もあります。この点について、監督はどのように考えていますか?

高津 日本シリーズのような短期決戦は、本当にあっという間に決着がついてしまうので、注意が必要ですね。基本的には「今までやってきたことを崩さない」というスタンスで、そのうえで「状態のいい選手を使っていく」というのが定石なのかな? ただ、その際にはこれまでの信頼度、貢献度、期待度、選手たちのプライドを注意して起用する必要があると思います。

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