BBCにツイッターをやらない記者はいらない ソーシャル時代のニュースメディア像

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――最後に、24時間休みなしのニュース組織を統括する一人として、常に頭にあることは何かを教えて欲しい。

世界中にいるBBCの取材陣が安全かどうか、これがいつも頭にある。ガザにいてリポートをする記者たちがいる。自分たちがリポートの対象となる住民のそばに寝泊りしている。ガザを離れようにも離れられない状態の人もいる。だから心配になる。

明るいニュースも伝えたい

もう一つ、頭から離れないのがBBCの報道が世界を正確に映し出しているかどうか。報道はどうしても暗いニュースばかりになる。しかし、地球上では前向きのこともたくさん発生している。新発見、文化イベント、経済の発展、人々が結びついていること――。ネガティブなニュースと同時に明るいニュースも伝えたい。

暗いニュースの報道ばかりが続けば、視聴者はテレビを見なくなってしまう。そうなったら、本当に重要で伝えたいことがあっても、伝えることができなくなることを懸念している。

小林 恭子 在英ジャーナリスト

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こばやし・ぎんこ / Ginko Kobayashi

成城大学文芸学部芸術学科(映画専攻)を卒業後、アメリカの投資銀行ファースト・ボストン(現クレディ・スイス)勤務を経て、読売新聞の英字日刊紙デイリー・ヨミウリ紙(現ジャパン・ニューズ紙)の記者となる。2002年、渡英。英国のメディアをジャーナリズムの観点からウォッチングするブログ「英国メディア・ウオッチ」を運営しながら、業界紙、雑誌などにメディア記事を執筆。著書に『英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱』。

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