BBCにツイッターをやらない記者はいらない ソーシャル時代のニュースメディア像
――インターネット時代に、独自の視点で報道するニュース組織に人気が出ている。偏りのないニュースを報道するBBCに勝ち目はあるか。
海外ではBBCの人気はこれまでにないほど高い。BBCのニュースを海外で視聴する人は週に2億6500万人ほどだ。今後2~3年以内にこれを倍にするつもりだ。
一定の政治的嗜好を持つニュース機関にひきつけられる人は一部だろうと思う。市民は真実を知りたがっている。そのためには、信頼できる情報を視聴者にとって魅力的な形で出してゆく報道機関を必要としている。BBCには勝ち目があると思う。
今の仕組みを維持できるか
――BBCのテレビ・ライセンス料制度はいつまで続くか。将来、視聴家庭から一括徴収する形ではなく、好きな番組やチャンネル、あるいは放送局に契約料を払って視聴する形が広まれば、BBCを選択して視聴料を払い続ける家庭は減少するといわれている。冒頭で世界中に記者を置いていると述べていたが、予算が少なくなれば、それも実現できなくなるが。
2つの点を説明したい。1つは、現時点でも、BBCには商業活動が認められている(注:広告収入と番組配信料で運営し、海外向け事業を担当する商業部門「BBCワールドワイド」がある)ため、テレビ・ライセンス料以外に収益を上げる道を持っている。米国や日本、そのほかの国でBBCの商業放送は収益を上げている。BBCオンラインのコンテンツの一部を日本語にしているが、これもそんな商業活動の1つだ。
次に、果たしてBBCは生き残れるかだが、BBCへの英国民の支持がある限り、BBCは存続すると思う。国民はドラマ、娯楽、文化、ドキュメンタリー、ニュースなどのBBCの番組の質の高さを知っている。海外での放送を通じて、BBCと英国についてのよい印象が広まることも知っている。
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