コロナ禍で「ロードスター」が若者に売れる訳 車重990kgの新登場「990S」に見る価値の本質

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実際にヨーロッパのワインディングをはじめ、ドイツ・ニュルブルクリンクや日本のサーキットなどで、モディファイしたクルマもあわせて走り込んで実証したという。

これはロードスターのユーザーが、ハンドリングに電子制御を介入させる違和感を特に嫌っていることの表れであり、さらにロードスターユーザーの多くは愛車をモディファイしていることが理由だろう。

このように、走行性能を磨いてきた今回の年次改良であるが、もう1つ例年とは違うことがある。それは3つの限定車・新機種のうち「990S」が、すでに世間に知られているということだ。

どういうことかといえば、去る10月24日に開催されたファン・イベント「ロードスター軽井沢ミーティング」において、マツダが正式発表前の「990S」をお披露目していたからだ。

ロードスター開発のリーダーである主査の齋藤茂樹氏は、「ロードスターの本質は軽さにあります。その軽さをもう一度スポーツカー・ファンの皆さんに確認してもらいたいという意味を込めて企画しました」と言う。

軽井沢ミーティングにて齋藤茂樹氏(筆者撮影)

名称にある「990」とは、車両重量が990kgであることを意味する。今どきのスポーツカーで1トンを切るものは希少だ。それをアピールする名称として990Sが採用された。軽井沢ミーティングでお披露目された990Sの実車は、すでにメディアでも記事化されている。ファンを大切にする、マツダらしい告知方法だ。

最量販モデルが「990S」という驚き

驚くのは、ファン・イベントでお披露目されただけの990Sが売れているということだ。しかも、「軽井沢ミーティング以降、990Sの構成比は大きく伸び続け、11月以降は最量販モデルとなっている」とマツダは言う。

12月(12月1~12日)の受注実績を見れば、ロードスター(RFを除く)の受注のうち38%が990Sなのだそうだ。990Sのベースとなった「S」グレードの通常の販売構成比は、モデル全体の4%にすぎない。それが10倍近くにもなっているのだから、驚きだ。

ちなみに、コロナ禍でのロードスターの販売は絶好調だという。絶対数こそ少ないものの、2020年の第3四半期以降は前年比プラスで推移。2021年も第1四半期で前年比177%、第2で147%、第3で111%、第4(10~11月)で126%を記録している。

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