同じ「花屋」でもコロナ禍に明暗が分かれた理由 決算書比較「ビューティ花壇VS花キューピット」
まずは、花キューピットのB/Sを見てみましょう(前ページ・図1)。
花キューピットの資産の持ち方を見たときに特徴的なのは、ビューティ花壇と比較して、固定資産の割合が低いことです。総資産に対する固定資産の割合は16%にすぎません。
なぜ、固定資産の割合が低いのか。その答えは、花キューピットのビジネスモデルにあります。
花キューピットのサービス
花キューピットの主要サービスは、インターネットを通じて生花のギフトが注文できる「ECサイト事業」です。主に個人向けのサービスを提供している「インターネット花キューピット」事業と、法人向けサービスである「ビジネス花キューピット」事業を展開していますが、両者のビジネスモデルはほぼ共通しています。図2を見てください。
インターネット花キューピットを通じて生花のギフトを送る際、注文主は花キューピットのウェブサイトで注文を行います。花キューピットは、その注文内容を届け先近くの加盟店に通信で連絡し、その加盟店がギフトの送り先に対して生花を届ける仕組みになっています。
そのため、花キューピット自身は店舗を持つ必要がありません。加盟店との間における情報仲介に徹しているため、花キューピットの固定資産の割合は非常に低くなっているのです。
そして、花キューピットの収益は、注文にあたって支払われる手数料(商品1件ごとに550円〔税込〕、2021年8月現在)ということになります。花キューピットは2020年3月期には3019万円の当期純利益を計上しています。時期的に、コロナ禍の影響を多少受けていると推測されますが、最終黒字を確保しているという状況です。
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