戦線拡大に躍起、ジャパンマリンの正念場 新たな船種へ進出、「総合造船」へ突き進む

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大型LNG運搬船の建造に挑戦するJMUの津事業所。来年夏から実際の生産に着手する

造船大手ジャパン マリンユナイテッド(JMU)の津事業所。伊勢湾に面したこの造船所で今、ある大型プロジェクトが進んでいる。民間船舶の中でも別格といわれる、大型LNG(液化天然ガス)運搬船の建造プロジェクトだ。

津事業所で造るのは、今年2月に受注した東京ガスのLNG運搬船2隻。タンク総容量16.5万立方メートルの大型船で、米国産シェールガスを日本へ輸入するために使用される。2隻とも2017年に完成させ、実際に船を保有・運航する商船三井と日本郵船にそれぞれ引き渡す予定だ。

 過去経験のない規模の建造

LNG運搬船は船価が200億円前後に上り、大型石油タンカーの2隻分に相当する。ただし、LNGをマイナス162℃以下で輸送する専用運搬船は構造が特殊なため、設計や設備などを取りつける艤装が複雑で、通常の船よりも格段に難易度が高い。当然、高度な総合力が要求され、建造できる造船所は世界でも数少ない。

JMUにとって今回の建造は大きな挑戦だ。前身のユニバーサル造船時代、海外顧客向けに計6隻造った経験こそあるが、いずれもサイズが小さかったうえ、最後の引き渡しは6年も前。今回のLNG運搬船は独自のタンク・省エネ技術などを駆使した新型設計で、積載量も過去に手掛けた船よりはるかに大きい。

現在、津事業所では機材配置などを決める機能設計作業の真っ最中で、来年夏から生産に着手する。「工事の規模が大きいので、いかに効率よく造るかが大きな課題。段取りを何度もシミュレーションするなど入念な準備をして、万全の態勢で挑む」と、津事業所の小松康夫所長は気を引き締める。

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