以上、さまざまな「ファッション瞑想」のトレンドについて取り上げた。
近年、サウナ好きの人などが言う(心が)「ととのう」という行為がSNSなどを通じて広がり、お洒落なサウナ施設や瞑想するためのコンテンツが増えていた。そこにコロナ禍が起こり、若者たちのニーズにマッチしたといえるかもしれない。
これがアフターコロナの時代にも残るニーズかどうかはわからない。 しかし、コロナ禍はまだ続くだろうし、これだけ広がったニーズは今後も形を変えて残っていく可能性もあるのではないか
原田の総評:コロナで悩みを抱えた若者たち
警察庁と厚労省が発表した2020年の自殺者数は前年比912人増(4.5%増)の2万1081人と、リーマンショック後の2009年以来、11年ぶりに増加に転じました。男性は1万4055人と11年連続で減少。一方、女性は7026人と2年ぶりに増加に転じました。
年代別では20代が404人増(19.1%増)の2521人と最も増加率が高い結果となりました。
また、日本財団の「若年層、コロナ禍における自殺意識調査」によると、15歳から19歳までの若い年代で「本気で自殺したいと考えたことがある」と回答したのは、3人に1人にのぼることがわかりました。
コロナと自殺率の増加にどれだけ相関性があるかは専門家にお任せするとして、このコロナ禍において、特に若年層がいろいろな悩みを持ち、苦しんできた様子が想像できます。
確かに私がZ世代の若者たちにインタビューしている中でも、「オンライン授業で友達にまったく会えない」「高校4年生のような感覚で、大学入学の実感がない」「バイト先の正社員は切られなかったけど、私たちバイトが真っ先に首を切られた」「新しい出会いがないので、友人関係も広がらないし、恋愛もできない」などの言葉が彼らの間からたくさん聞かれました。
そうした苦しい環境下、自分の心を整えるために、彼らの間では瞑想が流行りました。欧米の経営者で瞑想に取り組んでいる人が多かったり、ネットフリックスで瞑想系のコンテンツが増加していることなどから、瞑想にはお洒落でトレンディなイメージも多く、心を整えるという本来の目的を超え、お洒落なファッションとしてもこの瞑想は流行っていきました。
今後、多くの企業はこのZ世代の間で生まれた「ファッション瞑想」というニーズに着目し、チームラボがサウナとアートを組み合わせて話題になったように、自社商品やサービスと「瞑想」を組み合わせた場をZ世代の若者たちに提供していくと彼らに受けいられるようになっていくかもしれません。
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