嘘を通した母に殺された少女が残した悲しい教訓 いじめ虐待調査医の感じた一抹の不安が的中した
娘は病気だと言い張る母親
その6歳の少女は、頻繁に医師のもとを訪れていた。
あるとき、その少女の通っている小学校から私のもとに連絡があった。どうやら、その子の母親から「うちの子は体調を崩しがちなんです」と言われ、どうすればいいかわからず、私たちに相談することに決めたようだ。
その母親は、最初のうちは「娘は胃腸の調子が悪い」としか言わなかったものの、やがて「娘がすぐに息切れする」「ときどき発作を起こして意識を失う」といった話までするようになった。そのうえ、娘が学校に行くときは常に薬を持たせ、症状が出たときはそれを飲ませてほしいと担任に伝えていた。
しかし妙なことに、学校にいるあいだ、その少女はとても元気そうだった。屈託がなく、活発で、いつもほかの子どもたちと楽しそうに遊んでいた。
「どうも……体調が悪いようには見えません」。校長先生はきっぱりとそう言った。
ところが、その母親のかかりつけ医は彼女に深く同情し、全面的にサポートすると申し出た。そして、そのかかりつけ医は、彼女の娘に大学病院で検査を受けさせることにした。


















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